「エンデの遺言」を読んで

思わず一気に読み終えてしまった。

自分が今まで金融システムについて疑問に思っていたことに答えていたのと同時に、地域通貨の可能性についても示唆されていた。

僕は幼いころから、お金の価値を保障しているものっていったいなんだろうと疑問に思っていた。例えば、等価交換という側面から言うと、物やサービスを受けるときにお金を支払うのはいいが、お金を貸すときに利子をつけると、その利子分増えたお金の価値は何によって保障されるのだろうかと。この問題が、お金を貸す際に利子をつけて貸すことで富める者がさらに富んでいくという今の社会の構造上の欠陥を引き起こしています。お金の価値自体は変化しないわけですから。

それを是正すべく考え出されたのが、老いていく貨幣というシステムです。これは、お金を持っていると、時間と共にお金自体の価値がなくなっていくといったものです。そうすることによってみながお金をすぐに使おうとするため、消費が促進されていきます。

また、それと同時に、地域通貨の可能性についても著書では述べられています。日本でも一時、地域振興券が話題になりましたが、そのときはその有用性について全く考えませんでした。しかし、この本を読むことで、その可能性はとても大きいものだという事を知りました。

地域通貨を発行することで、その通貨はその地域でしか使われない代わりに、その地域で経済活動が循環するため、他の場所にお金が流れていくのを防ぐことができます。世界金融市場の手から逃れることができるのです。通常の通貨ですと、税金とかでもっていかれるため、そのお金がどこに消えていくかはわかったものではありません。しかし、地域通貨は自分の消費活動が確実に自分に戻ってくるという良い循環をしてくれるのです。





あなたはお金というものの根本を考えてみたことはあるだろうか?

この本が、最もわれわれの身近にあって、重要なお金について考えるいい機会をもたらしてくれるでしょう。

出版されたのは2000年ですが、エンデが投げかけている問題は現代においても決して解決されていません。自分がつかうお金がどこへ行くのか、考えてみませんか??



エンデの遺言―「根源からお金を問うこと」エンデの遺言―「根源からお金を問うこと」
(2000/02)
河邑 厚徳グループ現代

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| 10:17:45 | Trackback(0) | Comments(2)
「茶色の朝」を読んで
内容もさることながら、高橋哲哉によるメッセージもよかった。

(この先やはりネタバレです。)

物語のあらすじは、町が徐々に茶色ばかりになってしまう。つまり、他の色がどんどんと規制されていくというものだ。はじめは茶色以外の犬や猫を飼うことを法律で規制され、次には「茶色新報」以外の新聞が廃刊になり、といった具合に町が茶色一色に染められていってしまうというものだ。そういった変化に対して、主人公はちょっとおかしいなと思いながらも、反対することなく、その規制を受け入れていってしまう。なにかと理由をつけて「茶色の自由」を受け入れ、最後には自分自身が逮捕されてしまう。

ファシズムや全体主義、大衆心理の恐ろしさを非常にうまく描けていると思った。

国などの権力に対して、それがあまりにも巨大なため、人は無関心になりがちだ。しかし、今の国民国家の体制の中で生きている限り、そういった権力や制度に関して自分自身はどうしても拘束されざるを得ない。だから、高橋哲哉も言うように、それらが間違った方向にいっていないかどうかを、思考停止に陥ることなく、考え続けていかなければならない。そして、間違っていたときには、間違っているとしっかりと発言できないといけないのではないか?一人の人間の力は確かに小さい。しかし、みなが行動すればそれが大きな力になる。一人ひとりがしっかりと考え、発言していく必要がある。そうすれば世界が「茶色の世界」になってしまうのを防げるのではないだろうか。

この本自体、フランスの人種差別と排外主義で知られる、ルペンの率いる極右政党・国民戦線に反対するために、たった1ユーロで出版された。そして、国民戦線が2002年の春の大統領選挙で決選投票まで残ったときに、多くの人が「茶色の朝」を読み、「極右にノンを!」の運動が盛り上がり、ルペンが大統領になることを防いだそうです。



決して無関心になることなく、自分から立ち上がろう。自分ひとりの行動は、決して小さくない。なぜならその行動は、他の人を動かす可能性を秘めているのだから。



茶色の朝茶色の朝
(2003/12)
フランク パヴロフ、ヴィンセント ギャロ 他

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| 01:32:08 | Trackback(0) | Comments(0)
本「チーズはどこへ消えた?」を読んで
随分昔に話題になった本。

いまさらだけど図書館にあったので、手にとって読んでみた。


分量的にはとても短かったけど、仕事をしていく上で、この資本主義社会で生きていくうえで非常に参考になる話だなと思った。

ストーリーは2人のねずみと2匹の小人がチーズを求めて迷路をさまよったり、なくなってしまったチーズに固執して、新しいチーズを探しに行かなかったりするってだけだ。

そして、学んだ教訓の最もメインの部分は、「状況の変化にあわせて、自分も変化していこう。そして、状況の変化を機敏に察知しよう」みたいな感じなんだけど、これって思った以上に難しいことだと思う。しかし本書では、結論だけではなく、象徴的なストーリー仕立てで語ることによって、その教訓がどれだけ重要であるかが仮想的に「実感」できるところがすごいと感じた。

何度もおりに読み直したい一冊。



チーズはどこへ消えた?チーズはどこへ消えた?
(2000/11)
スペンサー ジョンソン

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| 01:12:16 | Trackback(0) | Comments(0)
本「養老訓」を読んで

生きていれさえいれば、そのうち誰もがなれるが年寄りです。そんな年寄りの端くれとして、言っておいたほうがいいと思うことをここで言っておこうと思います。

と、表紙にあるように、養老孟司が年寄りとして言いたいことをいった本。非常に考察が深いことが多く書かれていると感じた。まだまだ若造の僕にとっては、「あぁ、なるほどな」と思う部分や、「確かに」と、自分の普段の行動をふりかえさせられるようなこともあった。例えば、


不安が連鎖するときりがありません。不信は金、コストがかかるものなのです。
私は人を信用するのがいちばん安い、結果的に得をする道だと思う。
(省略)
でも、自分が信用できると思った相手はきちんと信用する。

養老訓p126より


おっしゃるとおりだと思った。今の世の中、様々なことに対してついつい不信がちになってしまうけど、一方で疑うという行為はきりがないものだと思う。人間疑いだしたらきりが無い。でもそのときに信用できる人、信用できる友人がいるというのは、とてもすばらしいことだと思う。自分もこういった信用できる人を大切にしていきたいと感じた。


しかし問題は最近の人は概念的な思考ばかりが優先して感覚的な思考ができなくなってきていることです。感覚が鈍くなっているのです。
平たく言えば、頭でっかちになって、目の前のことに鈍くなってしまっている人が増えているのです。

養老訓p26より

例えば、これは養老さんも本書の中で述べられていることなのだが、りんごが二個並んでいるとして、これらのりんごは同じりんごであるとみなされがちだが、実際には違う。違うというのは、大きさもそうだし、色の具合もひょっとしたら違うかもしれない。しかし、人間はこの実際は少しずつ違う「りんご」というものを、りんごという一つの単語に概念的にくくることによって文明を発達させてきた。いちいちりんごの違いによって、りんご一つ一つに名前をつけていたらきりが無いですからね。しかし、この概念的なものが今の世の中では先行しすぎているということだ。もちろん、人間は概念的な思考も感覚的な思考も両方ともできるのだが、今の世の中では概念的な思考のほうが強く、バランスが崩れているということです。

バランスが崩れるとどうなるかって??それは自分で一度考えてみてください。感覚的に。


こんな感じで、色々と気づかされることの多い、生きていくうえでいい刺激になる本でした。





養老訓養老訓
(2007/11)
養老 孟司

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| 10:30:03 | Trackback(0) | Comments(0)
本「労働法のキモが2時間でわかる本」を読んで

労働法について、日ごろから気になっていたことが良くわかった。

本書では、銀行をやめた主人公ナナが、ある会社に入り、社内の問題に対して色々と疑問をもち、それらを具体的に解決していく。つまり、社内での問題→法律上の決まり、みたいな形で進行していくので、読んでいて非常にわかりやすい。

僕もバイトをしながら色々と、法律上問題ないのかなぁとか感じてきた身なので、それらが問題なかったのかを考える上でも役に立ったし、今後僕が働いていく上においても役に立ったと思う。

どんな人であっても、生きていくうえで一度は働くと思うし、たとえ会社をおこして経営者になろうという人であっても、労働法は避けては通れない道だと思う。一度は読んでおくといいのではないだろうか。

また、昨今では2重派遣により、大手の派遣会社が問題になったが、<参照>もしもすべての人が自分の権利に対して、適切な知識を持っていたなら、ああいった違法なことも防げたはずだし、その数自体もどんどんと減っていくと思う。たとえ一定の権利を持っていたとしても、自分がどのような権利を持っているかを把握していなければ意味が無いのだ。

より良い労働環境を作っていくためにも、働く人、一人ひとりが知っておくべきものだと思う。



労働法のキモが2時間でわかる本労働法のキモが2時間でわかる本
(2007/11/15)
石井 孝治

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| 11:41:35 | Trackback(0) | Comments(0)
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